流産・死産後の心のケア

流産・死産とは

流産とは、妊娠22週未満で、赤ちゃんの命が閉じることを言います。

妊娠12週未満の場合は「早期流産」、12週以降の場合は、「後期流産」と区別されます。

また、「化学流産」とは、受精卵ができたばがりのごく初期に、感度の高い妊娠検査薬で陽性の反応が出るが、着床せずに、生理のような出血とともに流れることです。

そして、死産とは、妊娠期間に関わりなく、お母さんのお腹から赤ちゃんが出てくる前に、先に亡くなってしまうことです。

流産・死産にともなう悲しみ、心の痛み

流産・死産としてから、日常の生活に戻るまで、約半年から1年、長いと2年ほどかかると言われています。

悲しみに沈む、落ち込んだ気分、自分を責める気持ち、睡眠や食事がとれない、などの症状は、自然な心のプロセスです。

  • 早く立ち直ろうと、次の妊娠に向けて猛烈に頑張る。
  • 自分に悪いところがあったのではないかと原因探しをする。
  • 仕事などほかの亊に打ち込んで、忘れようとする。
  • 周囲への気遣いとして、「なんでもないこと」のようにふるまう。
  • 赤ちゃんや妊婦さん、体験を思い出す場所を、避ける。
  • わけのわからない苛立ちがでてくる。

このような反応、行動も、流産や死産のあとに見られます。

また、周囲の人からの心無い言葉にさらに傷ついたり、

「また次のチャンスがあるわよ」など、励ましてくれるつもりの言葉に、反発や苛立ちを感じる方もいます。

孤独を感じて、家に引きこもりがちになるのも、無理ありません。

お腹の中で母と子として出会って、かけがえのない一人の命とお別れをしたことは、悲しく、心は悼むのです。

流産・死産後の心のプロセス

流産・死産は、妊娠にいたるまでの経緯や、時期、どの病院だったか、など個別性の高い経験です。

流産・死産をされた方の心は、一般化できないことはふまたうえで、

多くの方が経験する、心のプロセスについてご紹介します。

(参考文献『赤ちゃんの死を前にして 流産・死産・新生児死亡への関わり方と心のケア』編著 竹内正人 中央法規)

  1. 頭が真っ白になる、実感がわかない。
    お医者さんから告知を受けた時や、手術・出産を終えた直後など、早い段階の時に、このように感じられます。現実味がわかず、心がマヒしたような状態です。
    この時には、感情が湧かなくて、涙も出ません。そして、何も感じない自分を冷酷だと思う方もいます。しかし、それはあなたが冷酷なのではなく、心が事実に、ついていけていないだけなのです。
  2. 圧倒的な悲しみ
    お腹には赤ちゃんがいない、亡くなってしまった、という現実に直面し、とても悲しくなります。大変つらい体験ですが、ここで心の蓋をせずに、悲しみを感じ、涙を流すことは、心の回復を助けます。
  3. 「なんで私が?」「どうして自分に起こったの?」
    このような疑問が出てきます。お医者さんから、医学的な説明を聞いて、頭では理解できても、繰り返しこのような問いが生まれます。「私の何が悪かったんだろう」と、原因を自分に探していくこともあります。
    「なぜ私の身に起こったのか。なぜ、神様はこの子を選んだのか」というのは、根源的でスピリチュアルな問いです。
    あなたのにとって、命、生きること、死ぬこと、について深く考えます。答えは、簡単には見つからないかもしれません。しかし、その時々の思いを、誰かと共有できることが、心の負担を軽くしてくれます。
  4. 怒り
    周りの人に、怒りをぶつけたくなる時です。夫に、医療者に、同世代の友人に、街でみかけた見知らぬ妊婦や親子に、怒りの矛先が向かうことがあります。
    また、怒りを感じる自分を責めて落ち込み、二重につらく感じます。外に出かけることが嫌になり、家に引きこもりがちになります。
  5. 物語や意味を探索する
    怒りや、悲しみ、疑問を、徹底的に味わううちに、亡くなった赤ちゃんが「私のところに来た意味」を探し、自分の人生にとってのこの経験の「物語」が紡がれます。外から押し付けられたり、無理に立ち直ろうとする物語でなく、あなたの体験から発見た物語です。
    しかし、一度物語ができたら、そこで終わりというわけではありません。また、悲しくなくなるわけではありません。
    上記の参考文献では、「家族は、かけがえのないわが子との関係と、共に生きることがかなわなかった深い悲しみとを、こころの水底にたたえながらも、少しずつ日常を生きることが可能になっていくのだろう」とあります。
    私は、時間が経っても変わらない悲しみについて語る体験者さんの話をきくにつけ、この一文にとても共感します。

流産・死産後の心のケアは?

まずは、身体のケアを。初期の流産であっても、身体の回復が必要です。

そして、十分に悲しむことを、自分自身に許しましょう。

誰かに話したいと思うなら、ぜひそうしてください。

気持ちを自由にありのまま、話すことは、心の回復を促してくれます。

流産・死産をした方への心のケアとして、ピア・サポートグループと言われる、体験者さんの集まりがあります。

また、病院でもカウンセリングを受けられる場があったり、助産師さんが話を聞いてくれるところもあります。

家族や友人が、ともに悲しみ、支えてくれるなら何よりのサポートです。

このようなサポートを利用できるなら、ぜひ利用してほしいと思います。

私が、流産・死産をされた方のカウンセリングをしている理由は、

家に帰ってから、つらい思いを抱えているものの、人前で話すことにためらいがあったり、

話せる相手がいない方のために、安心して話せる場になりたいと思っているからです。

家族だからそこ、友人だからこそ、話せないこともあります。

私自身は、流産や死産の経験はありません。

私は、女性の心をサポートする専門家として、アドヴァイスや励ましをするのではなく、あなたの気持ちを受け止める器となりたいのです。

ただ話を聞いてほしい時

理不尽さに心が打ち砕かれている時

お空に還った赤ちゃんのことを想いたい時

経験の意味を深めたい時

たとえ、何年時間が経っていても構いません。

あなたのタイミングがあります。

そのタイミングで、あなたと出会えることを、私は心よりお待ちしています。

<流産・死産カウンセリング 60分 4,000円+(出張費)>

お電話、またはカフェ・ご自宅などで、実施しています。

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*出張カウンセリングは、大阪府高槻市から、2時間慰安で行ける範囲にかかぎります。遠方の方は、テレビ電話でのカウンセリングがあります。

*出張費とは、往復の交通費です。