多次元的な夫婦づくり①夫婦のフィールドには魔物がいる

こんにちは!

産前産後の女性と夫婦関係の専門心理カウンセラー、臨床心理士、公認心理師の藤澤真莉です。

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解決思考でどうにもならない!夫婦関係のフィールドにすむ魔物

ここ2年程、私は産後クライシスをテーマにした講座をし、夫婦関係の不和のご相談を受け、カップルカウンセリングをしています。

これまで、講座の中で、以下のような内容を伝えてきました。

・いい家族は、自然にはできないよ!
「こういう家族になりたい」という目標を夫婦で共有し、“私たち”という単位での、意識的、人工的な努力が必要です。

“私たち”という単位での努力、とは、対話から始まります。

カップルで対話する(=ダイアローグ)ことに、時間と心のエネルギーを費やすこと。

ダイアローグの反対は、モノローグ(独話)です。

独話(=モノローグ)は、「俺は仕事さえがんばっていたら、家族を幸せにできるだろう」、
「私が、家事と育児さえちゃんとやれば、いい家族になれるだろう」という、
家族を営む中での、伝統的性役割に基づいた役割分担、単独プレーの発想の中にあります。

役割分担をすること自体が悪いのではなく、
夫、妻、ともにそのことを話し合わず、勝手に合意ができていると思い込んでいること、
無自覚に相手に期待を押し付けていることに問題があります。

夫婦間で、“私たち”という単位での主体性を作っていくには、
逆説的ですが、お互いの違い、他者性を認め合い、無意識的な依存、おこちゃまマインド(=「察してよ、察せない相手が悪い」)の甘えをやめて、夫婦間で心理的に分離をすることがまず必要です。
つまり、まず夫婦間で、個人としての境界線を確認しあえるようになることです。

そして、「自分の思い通りにはいかない、違う主体をもった他人=妻あるいは夫」という相手の主体性に開かれてから、
ダイアローグができるようになります。
そこから、「私たち作り」、夫婦としての主体性づくり、をすることをお勧めします。

ということを伝えてきました。

この内容は、今でも大事なことだと思っています。

しかし、私は最近、この内容だけでは、夫婦関係の改善のための心理療法として不十分だと、思うようになりました。

上記の内容に基づいて行う夫婦づくりは、「意識的」、「理性的」、「合理的」、「解決思考」な取り組みです。

しかし、夫婦関係という場、フィールドには、理性では太刀打ちできない現象があります。

例えば、こんな事例。

家の中で、夫と事務的な会話以上の会話がなくなり、中年期にむけての展望、セックス、子育てや家事の分担、など多くの点で夫に不満のある、女性とカウンセリングをしていたとします。

私から、「ところで、あなたは、どんな男性が好みなんですか?」と質問します。

その女性は、誠実で男らしい人、まじめ、物事を明るく前向きにとらえる、そして優しい、などの性質をあげます。

そう言っているうちに、「そういう意味では、うちの夫は、まさに理想の男性に当てはまるんですよね・・・」と気づきます。

夫は、自分にとって、理想的な男性であるばずなのに。

一時は、心からときめき、本当に自分にはこの人しかいないと思えたのに。

客観的にみたら、自分の好みにピッタリ合う人なのに。

今はどうして、こんなに魅力を感じず、怒り、あきらめ、嫌悪を感じるのだろう。

このような矛盾は、稀ではありません。

説明のつかないパートナーへの感情や、夫婦関係の問題は、カウンセリングをしていて、よく出会います。

この矛盾を抱えたまま、

家事・育児の役割分担やセックスについて、夫婦間で合意をえるための話し合いをしても、それは、うわべを整えるにすぎず、

生命力があり、温かい血が流れる、持続する夫婦関係にしていくことは難しいのです。

夫婦関係のフィールドは、魑魅魍魎(ちみもうりょう)の世界、魔物やオバケがいます。

その現象を理解し、夫婦の関係性を築いていくのに、理性、合理的解決、意識の次元だけでは、不十分なのだと、私は思うようになりました。

そして、私が師事している富士見ユキオ先生の、『贈与の心理学』というセミナーを受けて、その不十分だと感じていたところを、つかむ手がかりを得られました。

私が得た手がかりとは、

主に文化人類学の『贈与論』の中における、多次元的な贈与と、

精神分析学の、「投影同一化」という概念が、鍵です。

また、『贈与論』と、精神分析的な心の発達理論を組み合わせることで、

カップルカウンセリングと並んで、私のもう一つの関心事である、

現代の女性と家族にマッチした、共同養育の在り方についても、考察が深まりました。

私の理解と経験と結びつけるためにも、

私なりの言葉で、これからブログで文章にしてみたいと思います!

コロナ離婚とかいう言葉もあるとか・・・

パートナーシップを見つめなおしている人も多いはず。

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