産後クライシスの相談・セミナー
こんにちは、大阪で産前・産後の女性のための心理カウンセリングをしている、臨床心理士・藤澤真莉です。
今からはじめる!夫婦づくりワークショップ~うまくいく夫婦会議のコツ~
日時:2018年10月24日(水) 10:00~12:30
場所:あかり助産院(高槻市宮田町3丁目1-19-1)
料金:¥3500(おやつ・お茶代こみ)
申し込み:あかり助産院ホームページより
なぜ、私が産後クライシス、産前・産後の夫婦関係に焦点をあてた、セミナーやカウンセリングをしているのか。
そのきっかけは、私の妊娠中の経験にあります。
絨毛検査を受けて気づいた、夫婦の溝
私は、第一子がお腹にいる時に、絨毛検査という出生前診断を受けました。
かかりつけの産婦人科で、お腹の赤ちゃんの首の後ろのむくみ(NT)が厚い、ということで、ダウン症などの染色体異常があるかもしれないと言われて、胎児診断の専門のクリニックで診てもらうことになりました。
当時は、妊婦の血液だけで検査する、新型出生前診断は、まだ始まっていませんでした。
エコー検査から出された、染色体異常の確率は、結構高めでした。
絨毛検査は、お腹に細い針を刺して、絨毛という組織を取り出し、赤ちゃんの遺伝子そのものを調べます。
だから、赤ちゃんに染色体の異常があるかどうか、確定できる検査です。確定できるメリットがある一方で、お腹に針をさす侵襲的な検査なので、流産などのリスクがともないます。
検査をしてから、簡易な結果が出るまで1週間くらい、最終的な結果が出るまで、1か月くらい待ちました。
結果は陰性、つまり異常はありませんでした。
この一連の出来事で、私たち夫婦は、難しい問題に直面しました。
「ダウン症かも」と言われた時から、結果が出るまでの期間、夫と話し合うわけです。
私は以前、遺伝性の病気の人への心理カウンセリングをしていた関係で、遺伝カウンセリングについて少し学んでいたので、状況の理解はできました。
しかし、夫は、染色体異常の病気についても、出生前診断についても、知識がなかったので、まずは理解することから必要でした。
そして私は、障害のある人たちと近い場所にいたので、障害のある子どもと一緒に生活するイメージがありました。
「大変だろう。不安はある。だけど、医療も教育もある。支援、社会資源がある。それらとどうつながったらいいかも、なんどなくわかる。経済的にも、なんとかなるだろう。きっと、子どもは可愛い。」と、思いました。
一方、夫は、障害のある人と縁の薄い人生で、仕事、ビジネスが生活の中心。障害児との生活は、まったく想像がつかなかったことでしょう。
その時、夫は何を考えていたのか、本当のところはわかりませんが、私には、ちょっとパニックになっているように見えました。
夫は「障害をもって生まれて、本当にこの子は幸せなんだろうか…」と思って悩み、
結果待ちの期間、食事が食べられなくなったりして、憔悴していました。
「もし、陽性だったら、どうする?」ということも、話し合いました。
私は、陽性でも中絶はしたくない、と言いました。
障害があっても、短い命でも、お腹の中で命が閉じたとしても、この子が与えられた時間を全うできるなら、そうさせてあげたい。
私は、その時間を途中で止めることはしたくない。というのが、私の思いでした。
で、そう伝えました。
それに対して、夫が考えていたのは、
「もし陽性だったら、子どもに障害があることについて、妻が、妻自身を責めてつらい思いをするんじゃないか」、
「妻に自分を責めさせないためには、責任を妻ではなく、夫が背負うようにした方がいいんじゃないか」でした。
だから、「最終的には、俺が決めるで。そのあとのことは、全部俺の責任や」と言いました。
私からしたら、「えっ???」って感じです。夫のセリフに困惑しました。
「つまり、夫は、中絶もありってことか??」
私を心配してくれる気持ちはわかる。でも、私はあなたに、責任を丸投げしたいわけじゃない。そもそも、分娩台に上るのは私だし。
二人の子どもだから、私の意志だけで決めちゃいけない。だけど、もし中絶したら、私は一生後悔する。
私だけがつっぱって産んだとしても、夫と一緒じゃなきゃ、夫も同意の上でなくちゃ、育てていく自信はない。
そして、気づきました。
あ~、夫と私は、一緒に暮らしているけれど、
これまで積み重ねてきた経験も、今時点でいる世界も、全然違うんだ。
夫と私の間には、埋めようのない溝があると、感じられました。
その時の話し合いでは、お互いに疲れていたこともあり、夫のセリフを呑み込めないまま、そこで終わりました。
結果が陰性だったので、この点についての結論は出さずに、状況は流れていきました。
私はこの一件で、夫婦で本当に大事な亊を話し合うのって、とても難しいのだ。と学びました。
目指すのは「夫婦の主体性をひきだす人」
そこから、私はいったい、夫の考えやセリフの、何を呑み込めなかったんだろう?と思って、勉強してみました。
出生前診断についての社会的、倫理的な課題。
遺伝子検査のビジネス的側面。
女性の産む権利、おろす権利、日本の障害者の人権問題の歴史。などなど。
これらは、今も関心のあるポイントです。私がひかかったポイントは、頭の中でだいぶん整理されました。
そして、後悔しているのは、私は夫と話し合うことを、途中であきらめてしまったことです。
つわりで、ただでさえヘロヘロのところに、夫との溝の深さに気づいてしまった。
住んでいる世界の背景の違いを、どう言葉にしたらいいのか、わからない。言葉にしても伝わるかわからない。
伝えるエネルギーがありませんでした。
出生前診断にまつわる、社会的な同意のない問題について、「患者の主体的な自己決定を尊重する」ことが大切だと言われますが、
自己決定できるほどの「主体性」を持っている女性って、夫婦って、日本で一体どれだけいるんだろう?
私の場合は、丁寧に夫婦の溝の、架け橋になってくれる人が欲しかった。
だから、どっちの意見、感情、考えも尊重して、夫婦としての主体性を引き出してくれる人。
そういう人に私はなろう、と思ったわけです。
これが、私が「夫婦づくり」に関心を持ち始めたきっかけです。
その後の、育児の中でぶつかった壁、産後クライシスの経験も土壌になっています。
このセミナーは、私が2~3年かけて、夫婦づくりについて、学んで実践したきたこと、
そしてセミナーやカウンセリングを受けてくださった方たちからのフィードバックを、練り上げて作っています。
お日にちが迫っていますが、またお席がありますので、ご関心のある方は、せひご参加ください!
日時:2018年10月24日(水) 10:00~12:30
場所:あかり助産院(高槻市宮田町3丁目1-19-1)
料金:¥3500(おやつ・お茶代こみ)
申し込み:あかり助産院ホームページより